3月25日の講演会(副鼻腔炎の治療)

2023.04.01

 花粉症が蔓延している最中、3月25日(土曜日)の診療を人数制限させていただきました。受診できなかった皆様、大変ご迷惑をおかけいたしました。

 実は、東京で夕方から開催された研究会の座長を仰せつかっておりました。座長というのは進行係みたいなものです。「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎」の治療は2020年に登場した新薬によってドラマチックに変化しました。その新薬は、IL-4とIL-13という炎症物質を抑制する皮下注射のお薬です。それまでは、内服のステロイドが治療の中心でしたが、長期使用による骨粗しょう症や、白内障、感染症などの副作用が懸念材料となっていました。今回のテーマとなった新薬の効き目には目を見張るものがあり、しかも副作用の危険性も少ないお薬です。さらに、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎に多く合併する気管支喘息の治療薬としても非常に有効です。しかし、高額なお薬であるために、すべての患者さんにおしなべて使用できるわけではありません。日本でも、基本的にはまず手術をして、残念ながら再発してきた症例に使用することが基本となっています。あるいは、全身の合併症があり手術ができない症例では、はじめから使用することは可能です。この治療薬をどのようにお困りの皆様にお届けするのがよいのか、その治療効果や副作用などについて皆様にどう説明したらよいのか、治療導入におけるポイントなどが今回の研究会のテーマでした。日本の副鼻腔炎治療をリードする先生2人にご講演をいただき、その後、研究会に参加した少数の専門家の先生方を4つのグループに分けて、それぞれの中で討論するという形式で行われました。内容の詳細は極めて専門的になりますので、割愛させていただきますが、副鼻腔炎治療でお困りの方はご相談に来院していただければ幸いです。