新型コロナウイルス感染症についてまとめ

2021.08.23

現在、変異株としてα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)が知られています。2021年6月以降はδ株が急増しています。ワクチンには、感染・発症予防効果がありますが、変異株によっては多少有効性が落ちる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の症状は、発熱、咳、息切れ、筋肉痛、嗅覚・味覚障害などが主なものです。一方、無症状で経過する人も30%程度存在すると考えられています。発症しても約8割の方が軽症のまま1週間程度で回復しますが、一方で、発症から4-5日して、急激に悪化し重症化する人もいらっしゃいます。

発熱などの症状がある方は、発症の2日前~発症後7-10日間程度は他人へうつす可能性があります。また、一旦発症すると、1か月程度たってもPCR検査では陽性になることがありますが、その時点での感染拡大の可能性は低いと考えられます。致死率は3-4%程度ですが、高齢になるほど、また、糖尿病、高血圧、肥満、癌などの持病をお持ちの方、喫煙者や肥満の方は重量化リスクおよび死亡率が高いので特に気を付けましょう。

小児では、成人や高齢者よりも軽症のことが多く、無症状のことも少なくありません。無症状の小児から、他の人に感染を広げるリスクは少ないでしょう(ないわけではありません)。ただ、皆さんもご存知のように、現在、感染者は小児へも広がっています。川崎病類似の症状への進展や、心筋炎には注意が必要でしょう。

妊婦の方が特に新型コロナウイルスに感染しやすいということはありませんが、妊娠後期に感染すると重症化する、あるいは早産になることがあります。積極的なワクチン接種が推奨されています。

新型コロナウイルスでは、感染による重症化だけでなく後遺症に苦しむ人も少なくありません。肺の機能が完全にはもどらない、記憶がまだら状に飛んだり、気分が落ち込んだりすることもあります。ここまで流行すると、なかなか自己防衛だけで感染の回避は難しいでしょう。マスクは推奨されていますが、正直言ってマスクだけでは完全には感染を防げません。ウイルスはマスクの網目の隙間を通ってあなたの体内に入ります。手指消毒および部屋の換気を徹底するとともに、可能な方は是非ワクチンを早めに打つことで、感染を予防すると同時に、万が一感染しても、比較的軽症で済むように準備しましょう。