頭痛についてーその2ー花粉症と頭痛

2021.12.28

 春の花粉症といったら、スギ花粉症ですね。今や国民病です。私も作成委員の一人として関わらせていただいた「鼻アレルギー診療ガイドライン2020」を見てみますと、長野県のスギ花粉症の有病率は、2019年の調査では48.6%となっており、全国第5位を誇っています。いや、誇ってはいけませんね。でも、ほぼ2人に1人がスギ花粉症なんです。そして、スギ花粉に引き続いてヒノキ花粉が飛散してきます。まさに、飛散ではなく悲惨な状況です。

 私たちのグループは、この春の花粉症の患者さんを対象に、頭痛の合併率を検討したことがあります。そうしますと、花粉飛散の時期にかかわらず普段から頭が痛くなりやすい人が28.6%おり、その方々のうち、44.7%が、「花粉飛散期に頭痛がひどくなりやすい」と訴えていました。また、普段は頭痛がない人でも、22%の方が「花粉飛散期に頭痛の頻度や強度が増加する」と訴えていました。

 一見、何の関係もなさそうな頭痛と花粉症の間に、密接な関係があることがわかったのです。この原因は何なのでしょうか?

 花粉症では、鼻粘膜に花粉のアレルゲンが入ってくると、その花粉に特異的に結合する抗体を細胞表面にもつマスト細胞という炎症細胞を刺激することになります。そうすると、マスト細胞が活性化されてヒスタミンをはじめとする多くの炎症物質が放出されるのです。これが、くしゃみや鼻水を引き起こします。

 一方で、頭痛の代表格である、片頭痛も同じように硬膜付近にはマスト細胞が存在し、マスト細胞が活性化されることで、炎症物質が放出され、血管の炎症を引き起こすことで頭痛が引き起こされると考えられています。つまり、花粉症も片頭痛も、似たような機序によって発症していると考えられているのです。

 これ以外にも、鼻閉によって生じる睡眠障害も頭痛の誘因になっているかもしれません。

皆さんの中で、花粉症の時期に頭痛がひどくなる人はいらっしゃいますか?