​食物アレルギーについてーその4―比較的珍しいアレルギー

2021.11.08

今回はいくつか食物アレルギーの原因としては珍しい食品を取り上げます。

  •  納豆
  •  人工甘味料
  •  スパイス

 納豆は日本人のソールフードですが、この納豆によるアレルギーが知られています。通常の食物アレルギーは、食べてから30分以内、遅くとも2時間以内に症状が出現することが多いのですが、納豆アレルギーは、食べてから5時間から半日たってから症状が出現しますので、見逃しやすいアレルギーといえるでしょう。原因アレルゲンは、ポリガンマグルタミン酸(PGA)です。クラゲを食べてもアレルギー症状が出ることがあります。納豆アレルギーの人の多くは、ダイビングなどの際にクラゲに刺されたことがある人です。長野県は海が遠いので、必ずしも多くはないかもしれませんが、私も小学生のころ、夏の海水浴でクラゲに刺されたことがありました。でも、納豆は食べられます。

 ダイエット食品、お菓子、ゼリー、ガム、などの人工甘味料として、エリスリトールが使用されていることがあり、食物アレルギーの原因となり得るようです。なかなか診断が難しく、皮膚テストによっても反応が出ない場合もあります。実際に摂取してもらって、診断することもあります。お薬のドライシロップにも含まれていることがあるので、注意が必要です。

 カレーライスを食べて、アレルギー症状を起こしたことがあるでしょうか?

もし、そうなら、スパイスアレルギーの可能性も考えなくてはなりません。これは、もともとはヨモギやシラカンバ花粉症がある方に起こります。セリ科のスパイス、セロリ、ニンジンなどによってもアレルギー反応を引き起こす可能性があり、ヨモギーシラカンバーセロリースパイス症候群などと呼ばれています。花粉のアレルゲンとセリ科野菜、スパイスのアレルゲンの構造が似ていることが原因です。花粉症が関係する食物アレルギーについては、後日別のコラムで紹介しますね。カレーのスパイスの他に、大根やマスタードの辛み成分もアレルギーを引き起こすことが知られています。この場合、アブラナ科の野菜である、ルッコラやブロッコリー、ワサビなどにも注意が必要です。