2025.12.08
帯状疱疹ウイルスというのは、子供の頃にかかる水ぼうそう(水痘)のウイルスです。幼少期に感染したのち、帯状疱疹ウイルスは、人の神経に住み続け、大人になって、その人の免疫が低下すると活性化し、神経の走行に沿って水疱が出現し、さらに痛みを生じます。人によっては、帯状疱疹にかかってから3か月を過ぎても痛みが持続する帯状疱疹後疼痛になり苦しむ人がいます。帯状疱疹は、50歳以上になると3人に一人は発症するといわれており、また、発症した人の4人に1人が帯状疱疹後疼痛に苦しむと言われています。耳鼻咽喉科の領域では、帯状疱疹によって顔面神経麻痺が出現することが知られています。単純ヘルペスでも、顔面神経麻痺を来たすことがありますが、帯状疱疹による顔面神経麻痺では、顔面神経の障害が強く、中には麻痺が残ってしまう場合もあります。
さて、この帯状疱疹ウイルスのワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがありますが、断然不活化ワクチンがおすすめです。生ワクチンは1回接種でよく、金銭的な負担も少ないのですが、有効率は50%程度です。一方、不活化ワクチンは、2か月の間隔をあけて2回接種が必要ですが、有効率は95%を超え、長期にわたって発症予防効果が続くことが知られています。
現在65歳、70,75,80,85,90,95歳 そして令和7年度は100歳以上のすべての人が定期接種の対象になっており、自治体からの補助が出ます。松本市では1回6,600円で接種可能です。皆さま、苦しむ前に、是非ワクチンの接種をご検討ください。なお、定期接種の対象ではない年齢の方も接種は可能ですが、自費となります。特に50歳をすぎた方は接種をご検討ください。
帯状疱疹ワクチン接種をご希望の方は、電話もしくは窓口での予約が必要となります。どうぞよろしくお願いいたします。