第53回日本頭痛学会報告③ー不登校と関連する小児の頭痛

2025.11.24

頭痛学会の報告第3回です。

 今回は「不登校と関連する頭痛の実情と対応」というミニシンポジウムの報告をしたいと思います。演者は4人いらっしゃいましたが、詳細は割愛いたします。

 不登校とは、「年間30日以上学校を欠席する状態」と定義されているそうです。小学生から不登校になるお子さんはいらっしゃいますが、中学生になるとその割合が増加し、高校生にも多く認められます。不登校になる要因には、家庭環境、精神疾患、友人関係など、様々な背景があると思われます。不登校になるお子さんの一部は、頭痛をはじめ、腹痛・下痢、倦怠感、めまい、起床困難など、多様な症状を訴えることもあります。頭痛の訴えは比較的多く認められ、頭痛が不登校の原因になっていることも、結果になっていることもあるかと思われます。

 不登校に関連する頭痛の特徴ですが、片頭痛よりも、緊張型頭痛の方がより強く関連し、それが慢性連日性頭痛(毎日のように頭痛がある)の原因にもなっています。頭痛は患児のこころのSOSなんだそうです。もちろん、頭痛を改善することは、医療者の役割の一つですが、頭痛が改善しても学校に行けるようになるわけではないことには注意が必要でしょう。

 今回のシンポジウムから、学んだことは、「無理に学校に行かせようとしないこと」を親御さんと共有し、患児が自己表現できるようにしてあげることも大切であるということです(親御さんに対しても、自分の気持ちを素直にさらけだすことが大事)。さらに、向精神薬も必要によっては処方すること、学校の教師とも連携し、学校の別室で過ごすことや、適応指導教室につなげてあげることなども必要なようです。

 正直申し上げて、多忙なアレルギー科・耳鼻咽喉科の診療の中で充分に時間をかけた診察は不可能なのが歯がゆいのですが、今回のシンポジウムから学んだ知識を、地域の小児科医療者につなげることで、何とか役立てられたらよいなぁ、と思っています。同時に、小児期に引き続き、精神科、心療内科の先生とも連携する必要があると感じました。なかなか難しいのかもしれませんが。。。

 演者の先生方の、普段の努力に感服いたしました。ご苦労様でした。