第74回日本アレルギー学会参加報告⑥ー遺伝性血管性浮腫

2025.11.13

第74回日本アレルギー学会参加報告第6弾です。

 今回は、遺伝性血管性浮腫(HAE)を取り上げます。ややマイナーな疾患になりますので、ご興味のある方だけお読みください。簡潔にまとめます。

 蕁麻疹は皮膚表面が赤くはれてかゆくなりますが、血管性浮腫は皮膚のやや深いところが腫れます。突然、口唇や瞼(まぶた)が腫れる、のどが腫れて苦しくなるなどの他に、腸管にも発症するため腹痛・下痢・嘔吐を来たすこともあります。原因のわからない特発性の血管性浮腫、薬剤による血管性浮腫、蕁麻疹と同じような機序でかゆみを伴う血管性浮腫などがありますが、C1インヒビターという物質の量や活性が低下する家族性・遺伝性の血管性浮腫もあります。蕁麻疹は通常かゆみを伴い、24時間以内に腫れがひきますが、血管性浮腫では1-3日程度持続することが一般的です。

 今回のメインテーマは“遺伝性血管性浮腫”であり、外科手術や歯科治療、月経などが誘因で発症する場合もあります。一般的には、I型、II型、III型に分かれますが、詳細は割愛します。もし、上記のような症状を経験したことがある方は、家族歴を調べてみてください。可能であれば親戚にも聞いてもらうと良いかと思いますが、核家族化している昨今、調べるのが難しいことも多くなってきました。この疾患に、お心あたりがある方は、遺伝子検査が有用です。日本では“かずさDNA研究所”が検査をしてくれるそうです。当院も、今後遺伝子検査ができるように施設登録をしたいと思っております(予定です)。他の国では一般的になっている遺伝子検査も、日本人は好まない傾向があるそうですが、適切な診断は適切な治療に結び付くので、是非受けてみてはどうでしょう。

 遺伝性血管性浮腫の治療も飛躍的に進歩しており、発作時治療薬、短期予防薬、長期予防薬に分けていくつかの薬が使用されているようですが、いずれも高価で高額療養費の対象になるかと思います。