嚥下講習会に参加してきました

2024.04.10

4月7日 東京で開催された嚥下講習会に参加してきました。今回はその報告です。

日本の高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)は約30%であり、世界最高だそうです。一方で、出生率はイタリアに次いで2番目に低率であり、益々高齢化社会が進んでいる状況です。そんな中、誤嚥性肺炎の割合は、日本が突出して多いそうで、そこにはもちろん統計上のバイアスもありますが、死生観の違いも関係しているようです。すなわち、欧米では、食事がとれなくなったら、それは加齢性変化を意味し、それ以上は望まない。一方、日本を含める多くのアジアの国では、死に至るまで医療が関与していくことが望まれているようです。誰でも気軽に病院や診療所に受診できる環境も要因かもしれません。そんな中、嚥下障害をいかに評価し、治療していくかが大きな課題になっています。口から食べられないと、淋しく感じませんか?

 大学にいるときには、言語聴覚士、歯科医、看護師をはじめ多くのスタッフが嚥下障害治療に携わっていました。私も嚥下障害の評価にはほんの少しは関わっていましたが、かなり他のスタッフに“おんぶにだっこ”状態でした。ですから、少し勉強しなおす必要がありました。明日からの診療に少しでも役立つように勉強してきたつもりですが、座学と実践は異なります。少しずつ、皆様に還元できるようにさらに経験を積んでいきたいと思います。至らぬ所があるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。